Intravitreal Anti-VEGF Injection 抗VEGF硝子体内注射
Intravitreal Anti-VEGF Injection抗VEGF硝子体内注射とは
抗VEGF(血管内皮増殖因子)薬を硝子体内に直接投与し、網膜や脈絡膜の異常血管新生・漏出を抑える最新の薬物療法です。
点眼麻酔のみの日帰り治療で、視力低下の進行を食い止めたり、視力の改善を期待できます。
Indications for Eye Diseases適応になる目の病気
抗VEGF硝子体内注射は以下の疾患で保険診療として推奨されています。
- 加齢黄斑変性(滲出型)
- 糖尿病網膜症/糖尿病黄斑浮腫
- 網膜静脈閉塞症
- 強度近視に伴う脈絡膜新生血管
ほか、医師が必要と判断した黄斑浮腫・脈絡膜新生血管疾患
Disease Description疾患解説
加齢黄斑変性
高齢者の視力低下原因第1位。網膜中心(黄斑)に異常血管が発生し、出血・むくみで像が歪んだり霞んで見えます。抗VEGF薬で新生血管を縮小させ、視機能を維持・改善します。
糖尿病網膜症・黄斑浮腫
糖尿病による血管障害で網膜中心に滲出液が溜まり視力が落ちます。抗VEGF薬は浮腫を速やかに軽減し、レーザーや硝子体手術の前段階治療としても有効です。
網膜静脈閉塞症
網膜の静脈が詰まり出血・浮腫を生じる疾患。黄斑浮腫が主症状で、抗VEGF薬が第一選択となっています。
強度近視(病的近視)
眼球が前後に伸びることで脈絡膜新生血管が発生し、急激な視力低下を起こします。早期に抗VEGF治療を行うことで予後が改善します。
Treatment Process (In Our Clinic)治療の流れ(当院の場合)
①診察・OCT/蛍光眼底検査で疾患と活動性を評価
②治療同意後、点眼麻酔+消毒
③白目(結膜)から極細針で薬剤を硝子体腔へ注入(所要5分)
④15〜30分安静後に帰宅
⑤当日から点眼抗生剤を3日間使用し、1週間後に経過診察
Administration Schedule投与スケジュール
- 導入期:4週間ごとに3回連続投与(Loading phase)
- 維持期:Treat & Extend 法を基本採用
1) 再発がなければ2週ずつ間隔延長(最長12〜16週)
2) 再発時は間隔を短縮し黄斑浮腫のない状態をキープ
PRN(随時投与)をご希望の方はご相談ください。
Treatment Efficacy and Evidence治療効果とエビデンス
国内外の大規模臨床試験で視力1行(0.1LogMAR)以上改善率は約30〜40%、
視力維持率は95%以上と報告されています(ANCHOR,VIVID/VISTA 他)。
小沢眼科内科病院(本院)でも過去3年間・420眼の追跡で同等の成績を確認しています。
Cost and Public Support費用・公的制度
- 自己負担額(3割負担の方)
アイリーア®:約55,000円/回 ルセンティス®:約60,000円/回
※薬価改定で変動あり - 高額療養費制度
1カ月の医療費上限超過分は還付対象。両眼同月治療で自己負担を抑えられる場合があります。 - 民間保険
手術給付金・先進医療給付金の対象になることがあります。
Risks and Side Effectsリスクと副作用
- 感染性眼内炎(0.02%) ・一過性眼圧上昇 ・結膜下出血
- 網膜裂孔/網膜剥離 ・薬剤アレルギー(極めて稀)
当院では処置室での投与、ディスポーザブル器材の使用、術前術後の抗生剤投与によりリスクを最小化しています。
Benefits of Receiving Treatment at Our Clinic当院で治療を受けるメリット
- 網膜専門医 2名が在籍し、年間約1,500眼に注射を実施
- OCT-Angiography など最新画像装置を完備し早期再発を検出
- 注射専用ブース+無影灯でスムーズ&衛生的
- 白内障・硝子体手術とのコンビネーション治療にも対応
FAQよくあるご質問
痛みはありますか?
点眼麻酔のみでチクッとした圧迫感程度です。
何回続ける必要がありますか?
疾患や活動性によりますが、1年目は平均7〜8回、2年目以降は3〜4回が目安です。
日常生活の制限は?
当日は洗顔・飲酒・激しい運動を避け、翌日から通常生活が可能です。
Summaryまとめ
抗VEGF硝子体内注射は視力予後を大きく改善する革新的治療です。症状が軽いうちに受診し、適切なタイミングで治療を始めることが重要です。気になる症状があればお早めにご相談ください。